所得控除と税額控除を大まかに理解しましょう。

1回目の連載の最後に、税金計算の流れをご説明しましたが、4回目では所得控除と税額控除で、特に節税に有効なものをご説明します。所得控除は所得金額から差し引くことが出来るもので、税額控除は所得金額に所得税率をかけた後の税額から差し引くことが出来るものですので、税額控除の方が節税効果は大きいです。

所得控除は所得税率によって影響額が違ってきます。例えば、所得控除が50万円の場合、所得税率が20%の場合は10万円の節税、所得税率が10%の場合は5万円の節税効果になります。

申告書A or B の書式の、「所得から差し引かれる金額」に所得控除、「税金の計算」で税額控除を記載します。ここでは医療費控除、小規模企業共済、住宅ローン控除についてご説明します。

 

医療費を多く支払ったと思ったら、医療費控除!

自分や家族の医療費を多く支払った場合、所得金額から控除できる制度があります。これが医療費控除と言い、対象となる範囲は「生計を一にする親族」です。生計を一にするとは、同居しているかは関係なく、自分が生活費をまかなって暮らしている場合をいいます。親族とは配偶者、6親等以内の血族および、3親等以内の姻族を全て親族といいますので、かなり範囲が広いですね。

医療費控除の流れは、領収書等が医療費控除の対象かを判断して、医療費控除額を計算して、申告書に控除額を記載します。医療費控除の対象かどうかの大まかな判断としましては、医師の指示によるものは基本的に対象、市販薬は風邪薬は対象ですが予防のためのものは対象外、通院のための交通費は対象ですが通院のためのタクシー代やガソリン代は対象になりません。

医療費控除の基本的な計算方法ですが、1年間に支払った医療費から保険金などの補てん金を差し引き、さらに10万円を差し引いた金額が医療費控除の金額となります。そのため、10万円を超えたら医療費控除の対象になるかどうかを気にしましょう。

 

小規模企業共済で年金・退職金を作って、所得控除も受けましょう。

小規模企業共済は、個人事業主や、会社役員向けの退職金制度です。掛金は上限が月額70,000円(年間840,000円)で、掛金の金額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除を受けることが出来ます。積み立てたお金は退職金制度ですから、もちろん退職金として受け取ることが出来る上、所得控除まで受けることが出来るなんて、素晴らしい制度ですね!

この制度は誰でも加入できるわけではなく、従業員が20人(サービス業は5人)以下の個人事業主と会社役員です。他の注意点ですが、加入後に従業員が増えても契約は継続出来ます。また、2つの事業を行っている場合は、どちらか一方の立場でしか加入することが出来ません。

加入するには金融機関や商工会議所など、中小企業基盤整備機構と業務委託契約をしている団体で加入することが出来ます。加入出来るかどうかの判断は、事業所得を得ていて、会社との間で雇用契約が生じていない、社会通念上で個人事業主として認められる、などの要点を元に総合的に判断されます。

 

住宅ローンでマイホームを購入したら、最初の年は確定申告が必要です。

住宅ローンを組んでマイホームを新築で購入したら、住宅ローン控除の対象になるかを確認しましょう。住宅ローン控除を受けるには、所得金額の合計が3,000万円以下で、住宅の床面積が50㎡以上など様々な条件がありますので、ここでは詳細は割愛させていただきます。会社員の方は入居した最初の年だけ確定申告が必要で、2年目からは年末調整で大丈夫です。個人事業主の方は毎年、確定申告が必要です。

この制度は年末の住宅ローン残高に対して1%の金額を、税額控除できるという制度です。控除の上限額と控除期間は入居時期によって異なりますが、消費税が8%にアップすることに伴い上限額も変更されますので注意してくださいね。

この制度は影響額が大きいので、マイホームを購入する前に制度の対象になるかどうかを確認してください。また、マイホームを夫婦ふたりでローンを組む場合は、それぞれで住宅ローン控除を受けることが出来ますので、住宅ローンの名義人に注意してくださいね。転勤で一家全員で引っ越す場合は、住宅ローン控除を受けることが出来ません。

 

最後に所得税率についてご説明します。

「かしこく確定申告を行い節税をする方法」と題して計4回の連載をさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。確定申告は対象の方がほぼ全員であり、全てのパターンを網羅出来ないため、会社員の方や個人事業主で確定申告の経験があまりない方を対象に書かせて頂きました。

最後に所得税率について書かせて頂き、終わりにしたいと思います。確定申告は所得税を計算するものですが、計算された所得金額の額によって所得税率は5%~45%まであります。例えば、所得金額が195万円超~330万円以下の場合は所得税率が10%で、330万円超~695万円以下の場合は20%になります。そのため、会社員の方で給与所得だけの場合は所得金額を調整することは難しいですが、個人事業主の方の場合はある程度、所得金額を調整することが可能なので所得税率も気にしていただくと、大幅な節税に繋がるかと思います。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。何かご不明な点などありましたらお問い合わせください。

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