マイナンバーが利用できる範囲

マイナンバーはこれからおらゆる場面での利用が想定されますが、具体的にどのようなものに利用されるのでしょうか?

現段階(2016年10月現在)では、主に「社会保障」「税」「災害対策」の3つの分野においてのみ利用されることになっています。

1、社会保障分野

社会保障分野では、年金分野、労働分野、福祉・医療・その他の3つに分かれています。

・年金分野では、年金の資格取得や確認、給付を受ける際に利用されます。

・労働分野では、雇用保険等の資格取得や確認、給付を受ける際に使われて、ハローワークなどの事務等に利用されます。

・医療福祉その他分野では、医療保険等の保険料徴収等の医療保険者における手続き、福祉分野の給付、生活保護の実施等低所得者対策の事務などに利用されます。

具体的な書面で言うと、

雇用保険では「雇用保険被保険者資格取得届」「雇用保険被保険者資格喪失届」があり、

健康保険では「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」があります。

それらの書類などに、マイナンバーの個人番号を記載して提出することになります。

2、税分野

税分野では、確定申告書、届出書、法定調書などにマイナンバーを記載して提出することになります。

それを税務当局が事務などに利用することになります。

将来的には、確定申告時に医療費控除等の申告が簡素化されることが想定されています。

具体的な書面で言うと、

「給与所得の源泉徴収票」「退職所得の源泉徴収票」「報酬、料金、契約金および賞金の支払調書」「配当、剰余金の分配および基金利息の支払調書」「不動産の使用料等の支払調書」「不動産等の譲受けの対価の支払調書」などがあります。

それらの書類などに、マイナンバーの個人番号を記載して提出することになります。

3、災害対策分野

災害対策分野では、甚大な被害が発生する自然災害時等に利用されることになります。

震災などにより、金融機関の通帳やキャッシュカードなどが災害に遭って紛失してしても、マイナンバーによって本人確認が出来ればすぐに預金を引き出すことが出来たり、その後の生活支援金の支給に関する事務や被災者台帳の作成事務等に利用される予定です。

マイナンバーの利用目的の通知

上記のように法律によりマイナンバーの利用目的が限定的に定められており、企業はその範囲の中からマイナンバーを利用する目的を可能な限り特定して利用することが原則となっています。

そのため。マイナンバーの利用目的を出来る限り特定して、従業員に通知しておくことが求められています。

従業員への通知で求められているのは、従業員本人に対しての通知であり、本人の同意を得る必要はありません。

マイナンバーの利用目的の通知の方法は、以下のような対応が考えられます。

1、就業規則への明記

マイナンバーの従業員への通知を就業規則への明記で行う際の、就業規則規程例を載せておきますので参考にして頂ければと思います。

就業規則への明記で対応をするのが一般的かと考えられます。

(マイナンバーの通知)
1、従業員は、採用時に会社にマイナンバーを通知しなければならない。
2、会社は、従業員に対して、身分確認のために写真付きの身分証明書の提示を求めることがある。
3、従業員が扶養対象家族を有し、扶養対象家族のマイナンバーを会社に通知するにあたっては、虚偽のないように確実に確認しなければならない。

(マイナンバーの利用)
会社は、従業員および扶養対象家族のマイナンバーについて、以下の手続きに利用することができる。
(1)健康保険・厚生年金保険関係届出事務
(2)雇用保険関係届出事務
(3)労働者災害補償保険法関係届出事務
(4)国民年金第三号被保険者関係届出事務
(5)給与所得・退職所得に係る源泉徴収票作成事務

2、利用目的を記載した書類の提示

従業員に対する回覧板において通知したり、パンフレット・社内報などの配布により通知することは、適切に通知していると言えます。

しかし、現住所が正確に把握できていない者に対して、文書を郵便などで送付して、無事に届いていたか否かにつき事後的な確認よび必要な対応を行わない場合は、適切に通知しているとはいえません。

3、社内LANにおける通知

会社のホームページのうちアクセスが容易な場所への掲載や、従業員が定期的に見ると想定されるインターネットの社内掲示板への掲示は、適切に通知しているといえます。

しかし、電子メールを常時使用する者でない者に対して、電子メールを送信して通知することは、適切に通知しているとは言えません。

また、面談において口頭で伝達するか、ちらし等の文書を渡すこと、本人であることを確認出来ていることを前提として、電話により口頭で知らせることは、適切に通知していると言えます。