私も以前は年末調整の意味が良く分かっていませんでした・・・

会社員のみなさんは11月から12月にかけて、会社から年末調整の資料として「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」などの書類を渡されると思います。

どうしてこの書類を提出する必要があるか、また記載方法が分かりますか?

私は公認会計士ですが、会計士になる前は普通の会社員でした。 その時はこの書類に住所と名前を書いて提出するだけで、この書類がどれほど重要な意味を持っているか分からずにいました。

ちゃんと知識を持っていれば戻ってきたはずの税金なのに、知識がなかったために損をすることがないように、これから合計4回の連載で会社員のみなさんに「年末調整」について分かりやすくお伝えしていければと思います。

税金の話はどうしても専門用語が多く分かりにくい説明になっているものが多いので、この連載では出来るだけ一般的な言葉で書かせて頂きます。

 

年末調整はどうして、しなければならないの?

個人が納める税金は所得税と住民税があります。

年末調整の対象は所得税なのですが、その仕組みをご説明します。

・所得税について
毎月の給与から所得税が差し引かれて支給額が決定される「源泉徴収制度」が行われています。ここで毎月、差し引かれている所得税は仮の金額であり、1年全体の給与でもう一度所得税の計算を行う必要があります。年末に計算をし直して、既に支払っている所得税の差額を調整をするのが年末調整です。

・住民税について
前年度の所得をベースとして1年分の納付額が決定されています。そのために年末調整の対象ではありません。ただし、保険料控除や住宅ローン控除では、住民税も戻ってくる場合があります。

 

年末調整の対象となる人 or ならない人

それでは次に、あなたが年末調整の対象者かどうか見ていきましょう。

年末調整の対象となる人は、概ね以下の通りです。
・1年間を通じて勤務している人
・年の途中で入社して、年末まで勤務している人
・12月中に給与を支給した後に退職した人
・年の途中の海外転勤等によって、日本に住んでいない人

年末調整の対象とならない人は、概ね以下の通りです。
・他の会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人
・「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していない人
・1年間の給与が2,000万円を超える人
・年の途中で退職した人 (死亡や心身障害により退職した人は除く)

年末調整の対象とならない人は、確定申告を行う必要があります。

年末調整していても、確定申告が必要になる人とは!?

あなたが年末調整の対象者でしたら、通常では会社が年末調整を行えば、その年の税額調整は終わっており、それ以上の調整は必要ありません。しかし、年末調整で調整出来る項目と、確定申告をしないと調整出来ない項目があります。

そのために、会社で年末調整を行っていても確定申告が必要になる人をまとめましたので、参考にしてくださいね。

・1つの会社から給与を受けていて、給与や退職金以外の所得合計が20万円を超える人
・2つの会社から給与を受けている人
・高い医療費を払っている人
・寄付をしている人
・住宅ローンを受けた最初の年

特に、高い医療費を払っていたり、住宅ローンを受けた場合には、確定申告を行うと大幅に税金が還付される可能性がありますので、注意してくださいね。

年末調整で提出する書類について

2回目~4回目の連載で、年末調整の書類について説明をしていきますが、年末調整で調整する項目についてまとめておきます。
それぞれの調整項目で提出する書類も異なってきます。

第2回:給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
⇒扶養親族等の控除

第3回:給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書
⇒配偶者の特別控除、生命保険料・地震保険料・社会保険料の控除

第4回:給与所得者の(特別増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
⇒住宅ローン控除

年末調整のスケジュールでは11月中に上記書類が配布される会社が多いかと思いますので、ここで知識をつけて安心して年末調整をむかえるようにして頂けると幸いです。