年末調整の書類の書き方講座、第2回目の投稿です。

今回は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」について説明しますね。
この書類は通常は翌年分の申告書を提出するのですが、本年中に扶養親族等の状況に変化があった場合は、所得控除額が異なりますので、本年分の申告書にも修正事項を記載して提出します。

平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

平成29年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

平成29年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 記載例

上記のリンクをクリックして、ダウンロードしてくださいね。

年末調整に必要不可欠な書類です!

この書類を提出していない社員については年末調整が出来ませんので、必ず提出をするようにして下さい。この申告書を元に扶養親族等を把握して、毎月の源泉徴収される所得税の金額が決められて、年末調整が行われることになります。

基本的には、1年の最初の給与の支払いを受けるまでに提出をしなければなりません。実務的には11月後半あたりに本年分の申告書と同時に、翌年分の申告書が渡されます。

通常は翌年分の申告書を提出すれば大丈夫ですが、本年中に扶養親族等の状況に変化があった場合は、所得控除額が異なりますので、本年分の申告書にも修正事項を記載して提出します。

ここには12月31日時点の状況を記載するようにしてください。 以下で、主な場合における記載方法を説明していきますね。

独身の場合と、結婚している場合の記載方法

(1)独身の場合 独身でも申告書を提出する必要があります。 申告書の右上部分にあります、あなたの氏名・個人番号・生年月日・住所・世帯主の氏名・続柄・配偶者の有無を記載します。マイナンバー制度が開始されたことにより、個人番号の記載も必須になりました。

(2)結婚している場合 「主たる給与から控除を受ける」部分の「A 控除対象配偶者」に、氏名・個人番号・生年月日・住所・所得の見積額を記載します。そして異動月日及び事由には、年の途中で配偶者に異動があった場合にその内容を記載します。

ここでは、生計を一にする配偶者の所得金額が38万円以下の場合に記載出来ます。ここに記載すると38万円(配偶者の年齢が70歳以上の場合は48万円)が所得から控除されます。

「生計を一にする」とは所得者本人の稼ぎで暮らしをしている、という意味であり、同居しているかどうかは必要ありません。 配偶者の所得金額が38万円超~76万円未満の場合は、第3回で説明する配偶者特別控除にて記載します。

扶養親族の条件

扶養親族とはどういう親族でしょうか。その定義を簡単に説明します。

(1)6親等内の血族 ⇒子供や孫はもちろん、自分の祖父祖母も対象となります。

(2)3親等内の姻族 ⇒配偶者の両親・兄弟なども対象となります。

(3)生計を一にしている ⇒扶養親族は同居でなくても、所得者の稼ぎで生活をしていれば大丈夫です。そのため単身赴任や就学で同居していないケースでも扶養親族となります。

(4)所得金額が38万円以下であること ⇒アルバイトなどの給与収入が103万円以下、公的年金等のみの場合には収入金額が158万円以下(65歳未満の人は108万円以下)

上記の扶養親族にあたり、かつ16歳以上の場合が、控除対象の扶養親族となります。

扶養親族がいる場合の記載方法

上記で説明した控除対象の扶養親族の場合、1人につき基本38万円が控除されます。 申告書の「主たる給与から控除を受ける」部分の「B 控除対象扶養親族」に必要事項を記載します。

そして、下記の条件に当てはまる場合は控除額が変わります。

(1)19歳以上23歳未満の人 ⇒ 63万円が控除される   申告書の「特定扶養親族」の欄に○印をつけます。

(2)70歳以上の人 ⇒ 48万円が控除される   申告書の「老人控除対象配偶者又は老人扶養親族」の「その他」を○で囲みます。

(3)70歳以上かつ、所得者・配偶者の直系で同居している人 ⇒ 58万円が控除される   申告書の「老人控除対象配偶者又は老人扶養親族」の「同居老親等」を○で囲みます。

他にも障害者や寡婦の場合にも別途、控除することが出来ますが、今回の連載では割愛させて頂きます。

おまけ:所得控除と税額控除の違いとは!?

上記で「控除」という言葉が何回も出てきますが、所得控除と税額控除がありますので、それぞれの違いについて説明しておきます。

ここで、税額の計算方法の流れを書きますと、、
(1)各種所得金額の計算
(2)各種所得金額から所得控除を差し引いて、課税所得金額の計算
(3)課税所得金額に所得税税率をかけて、所得税額の計算
(4)所得税額から税額控除を差し引く

このように、所得控除は税率をかける前の金額から差し引くもので、税額控除は税率をかけた後の税額から差し引くものです。 そのため、税額の計算に直接インパクトを与える税額控除の方が影響が大きいです。

今回、ご説明した配偶者控除や扶養親族の控除は所得控除にあたります。 ちなみに第3回は所得控除で、第4回は税額控除にあたるものを説明します。