最後の第4回では、住宅ローン控除について説明します。

この制度では「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」の書類に記載します。

申告書は住宅ローン控除が出来る対象者にのみ配布されますので、ここでは記載例をダウンロードしてくださいね。

住宅ローン控除とは!?

住宅ローン等を利用して住宅の新築や購入または増改築等をした場合で、一定の要件を満たすときは、住宅ローン借入金の年末残高の1%の金額を、所得税額から控除することができます。

そのため、住宅ローンの返済が進むと控除額も減っていきます。所得税率をかけた後の金額から控除することが出来ますので、第3回までに説明したものより有利な制度です。

新築物件を購入する際に、住宅ローン控除を受けられると思って住宅を購入したのに、要件に当てはまらずに住宅ローン控除を受けられない、といった事もありますので、購入する前に要件を充分に確認してくださいね。

この制度は毎年、細かい要件が変わっているので、この記事は平成28年11月現在の制度で書いていますので注意して下さい。

住宅ローン控除を受けられる要件

主な要件とは、、

(1)取得後6ヶ月以内に居住し、控除を受ける年の年末に引き続き住んでいること。
(2)控除を受ける年の合計所得が3,000万円以下であること。
(3)登記事項証明書の家屋の専有面積が50㎡以上で床面積の2分の1以上が自己居住用であること。
(4)10年以上にわたって分割返済する借入金があること。
(5)居住した年及びその前後2年間(通算5年間)居住用の財産の3,000万円の特別控除等の特例を受けていないこと。
(6)中古の場合でも、ある要件を満たせば適用されます。(細かいので確認してくださいね)

上記の説明以外に、増改築・バリアフリー改修工事・省エネ回収工事の要件は細かく設定されています。

控除金額の計算方法

控除金額の計算には、以下のような要素から計算されます

・入居日

入居日により、住宅ローン借入金の年末残高の上限金額が異なっています。
上限金額が年々減少してきており、平成21年~22年に入居した場合は5,000万円、平成23年に入居した場合は4,000万円、平成24年に入居した場合は3,000万円、平成25年~26年3月31日に入居した場合は2,000万円、平成26年4月1日~平成31年6月30日に入居した場合の上限金額は4,000万円です。

消費税が2014年4月から8%になるために景気対策として、契約時期が2013年10月以降で入居日が2014年4月以降の場合は住宅ローン年末残高の上限が4,000万円となっています。

・控除率

年末の住宅ローン残高に対してかける控除率ですが、平成21年の入居からは1%です。

・控除期間

平成21年の入居からは10年間です。

例えば、平成28年に入居した場合で、住宅ローンの借入金が4,000万円で毎年200万円ずつ返済していくとします。 この場合は、年末残高上限が4,000万円であるので、控除金額は年末残高の1%で40万円となります。そして、次の年は年末残高3,800万円の1%で38万円の控除金額となります。

仮に借入金の年末残高が仮に5,000万円でも住宅ローン控除対象は上限で4,000万円となります。

申告書への記載方法

申告書への記載方法ですが、新築・購入か増改築により、記載する箇所が違いますので、該当の箇所に記載するようにしてください。

新築・購入の場合は、取得対価と借入金残高、総面積のうち居住用面積が何パーセントを占めるかを記載します。そして借入金の年末残高に対して、1%をかけて控除金額を計算します。

増改築の場合も同様に、増改築のために要した費用と借入金残高などを記載します。

ここで計算した金額が税額から控除されることになります。

注意点:適用を受ける1年目は年末調整で調整することが出来ないため、初年度は確定申告をする必要があります。そして、適用を受ける1年目に確定申告をしたら、2年目からは申告書に記入し、金融機関の残高証明書とともに勤務先に提出すれば年末調整で控除できます。

申告書の入手方法

住宅ローン控除にあたり、年末調整で提出する書類は、「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」と「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」が必要です。

これらの書類を入手するためには初年度の確定申告が必要です。確定申告をした年の10月頃に税務署から送付されます。加えて金融機関から「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を入手して提出してください。

年末調整はあくまでも収入が会社の給与だけの場合には有効なのですが、他の所得もある場合は確定申告をしなければいけないケースがあります。詳しくは第1回の説明をご覧ください。

これまで合計4回の連載で、年末調整について基本的なところを説明してきました。 税金は少しの知識があれば日々の節約以上の効果がありますので、これを機会に税金に興味を持っていただけると幸いです。